『穴子』と言えば江戸前の魚の中でも花形です。
寿司屋に行っても人気の寿司ネタ上位に常にランクインしています。特に上質な穴子の身は白く透き通り生臭さくも無く、脂がのった穴子はまさに至福の味。
穴子の美味しい食べ方は寿司ネタのほかにも、かば焼き・白焼き・天ぷらなんかもいいですよね!
そんな『穴子』の生態や旬を調べていきましょう!
穴子の旬は実は2回ある?
夏場のアナゴは天ぷらがおすすめ
最初の旬は6月〜8月の夏場で、この時期の穴子は『梅雨穴子』『夏穴子』と呼ばれ脂が控えめで淡泊でさっぱりとした味わい。
おすすめの食べ方は天ぷらです。綺麗に揚がった穴子の一本揚げは格別で、外側の衣はカリッと中の穴子は高温で蒸しあがった状態、たっぷりの大根おろしの入った天つゆに浸して食べると最高です。
冬場の穴子は煮て良し
10月〜12月の冬場にたっぷりと体に脂をたくわえ大きく成長した穴子、実はこの冬場の穴子のファンは多く身も皮ブリブリで煮ても良し!焼いても良し!煮穴子の皮目はゼラチン質が豊富でプルプルで身はふっくらでほのかに薫る山椒がいい。
この『冬穴子』焼けば皮目から脂が滲み煙が立ち上げ香ばしい匂いが漂う。夏のさっぱりした穴子と違って脂がのっていてウナギに近い味わいと言われています。
僕も煮アナゴ大好き!
美味しく出来たんで動画みてください!
アナゴとウナギの違い
穴子とウナギ、見た目や食感は似ていますが何が違うのでしょうか?
アナゴとウナギ:生態の違い
アナゴとウナギの大きな違いは生息地でウナギは産卵と孵化の時期だけ海に生息しますが、その後は湖や川の淡水で生活する『降河回遊魚』です。アナゴは産卵後も海で生活する『海水魚』です。
アナゴ | ウナギ | |
生態 | ずーと海で生活 | 海で生まれてあとはずーと川か湖 |
外見 | 茶色で白い点々がある | 黒っぽく腹が白に黄色味がある |
味わい | あっさり | こってり |
アナゴとウナギ:見た目の違い
- アナゴ:茶色い背中に白いお腹が全体像で、茶色い背中に白い点々が並ぶ
- ウナギ:黒い背中に白いお腹、すこーし白いお腹が黄色っぽく見える
アナゴとウナギ:味わいの違い
- アナゴ:淡泊であっさりしている
- ウナギ:脂質が多く、やや泥臭い
アナゴとウナギどっち旨い?
結論:どっちも旨い!
これは、本当に好みですがウナギの方がアナゴよりも脂質が多い分濃厚な味わいに。
ウナギは脂肪が多くても、まったく脂っぽさが気にならないので脂肪分が多いほで旨いとされています。
穴子もいい!煮ても焼いてもどちらも期待以上の味わいで裏切らないし、天ぷらで食べると幸せ感じます!
刺身はちょっと注意!
穴子は血液中に『イクチオヘモトキシン』という弱いタンパク毒を持っています。
生食には注意が必要と言われていますが、実は毒性はそんなに強くなくてしっかり処理した穴子の刺身であれば、1度に大量に食べすぎなければ大丈夫。
この毒は熱に極めて弱いため、60℃以上で5分加熱すれば毒は無効化され問題ないよ。
穴子の刺身が心配な人は湯通しすればさらに安心だね。
日本の穴子の種類
真穴子
東京湾の真穴子は江戸前の代表格で主に天ぷらにされてきました。
江戸前は、まだ成長しきらない50~60gほどの『めそっこ』と呼ばれるサイズが人気。
真穴子の特徴
全長1mぐらいまで成長し腹びれを持たない。体の側線の穴が、はっきりした白い点として並んでいるのが『マアナゴ』の特徴。この点々が棒秤の目盛りのように見えることから『はかりめ』の別名がある。
水深500mよりも浅い沿岸付近に生息している肉食性のマアナゴ、主に甲殻類や貝類、小魚などを捕食する。そのほか、魚の死骸なども食べるので『海の掃除屋』とも呼ばれる。
穴子は夜行性で、昼間は岩のすき間などの穴のなかに潜んでいることが多く『穴子』と呼ばれるようになりました。
夜になると活発にエサを探しに行動する、強い引きが特徴で夜釣りで人気の魚種である。
クロアナゴ
クロアナゴは主に南日本に分布し、砂利や石の底を好み生息します。一番の特徴はその大きさで1.4m以上に成長する大型のクロアナゴの体重は10kgを超えます。片腕サイズのデカさになります!
皮が厚くゼラチン質が豊富で味はマアナゴと比較して劣ると言われていますが、調理法によってマアナゴに匹敵するポテンシャルあり。
漁獲量NO.1の島根県 『大田の大あなご』を紹介します。
日本で捕れるマアナゴの漁獲量は全国計3422t(2017年度 農林水産省)
- 1位島根県508t
- 2位長崎県496t
- 3位宮城県439t
太田市では1年中あなごが獲れ、特にあなごが美味しくなるシーズンの6月~8月は籠漁、9月~5月は底引き網漁で1年中漁獲されています。
太田市のアナゴ底引き網漁は有名で、日戻り漁(一日漁)で鮮度が抜群!島根半島沖は暖流と寒流がぶつかる恰好の漁場でプランクトンが豊富な海域。それを餌にする小魚も多く豊かな漁場になっています。あなごの種類はマアナゴがメインで大ぶりなモノがよく獲れます。
焼いてみるとわかる脂のノリ!
皮目はパリッと!身はフワフワに焼きあがります。一度お試しあれ!
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