『品種改良ってなに?』遺伝子組み換え食品の安全性は大丈夫?

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自然由来の品種改良

スーパーには様々な野菜や果物が並んでいますが、このほとんどの野菜や果物はもともとはこの姿ではありませんでした。人間が品種改良を重ねて作り出したものなのです。

例えば「トウモロコシ」もともとは中央アメリカ原産の「テオシント」と言うイネ科植物が原種として有力候補です。「トウモロコシ」同様に実をつけますが小さい実が10個ほどで食用にはなりません。これを数1,000年かけて、大きな実がたくさん採れる「トウモロコシ」に変えてきたのです。品種改良は生物の突然変異を利用し変化させていきます。古代の人々は収穫の度に大きな実をたくさんつける固体を選び、その種を播くことを数1,000年の間繰り返しにより、大きな実をつける今の「トウモロコシ」になったと考えられています。1900年代になる同じ作物でも異なる品種をかけ合わせて、良い部分の性質をあわせもった品種を作り出す技術が盛んになる。例えば「コシヒカリ」は「味は良いが病気に弱いイネと病気に強いイネをかけ合わせて生まれました。」やはり時間がかかるのは同じでイネで10年くらい果物では何十年もかかります。

しかし、この方法だとかなりの時間がかかってしまいます。そこで最近注目されているのが「ゲノム編集」という技術です。生物の遺伝子を強制的に書き換え突然変異を起こすことができる技術。

親子で似ているところがあるのは、身体をつくる遺伝子を両親から受け継いでいるからです。生物はすべてこの遺伝子をもっています。遺伝子は身体をつくる情報の書かれた本のようなものです。この本にどのような身体になるかが書かれてあり、この本の文字がDNAです。そして「ゲノム」とはこの遺伝子の本をたくさん集めた書庫のようなものです。この「ゲノム」は研究され病気になる遺伝子や異常を起こす遺伝子をつきとめその遺伝子を突然変異させることで病気に強い作物を生み出すことが可能になりました。

「ゲノム」編集の方法は2つあります。

  1. 特定の遺伝子の影響を止める編集
  2. 別の生物の遺伝子を加える編集
日本で食品に認められているのは特定の遺伝子の影響を止める編集のみです。別の生物の遺伝子を加えるゲノム編集を行った場合は「ゲノム編集食品ではなく、遺伝子組み換え食品として扱われます」ゲノム編集は動物にも適用され、日本では鯛やフグなどの肉付きを良くする「ゲノム編集」の研究が行われています。「ゲノム編集」は新しい技術なので、開発された製品の安全性や生物の生態系に悪影響を与えないかなど専門家の認可がなければ販売できません。

遺伝子組み換え食品とは?

この技術は、他の生物から取り出した遺伝子をゲノムに組み込む技術で、自然界ではほぼ起こる可能性のない突然変異が可能になる。「トウモロコシ」の例でトウモロコシに地中にすむバクテリアの遺伝子を組み込んで害虫に強いトウモロコシをつくるといった通常の品種改良ではできないことを短期間で実現できる。このように別の種からの遺伝子の特徴を強制的に組み込む変化させた食品のことを言う。

日本の「ゲノム編集食品1号」はトマト

去年12月に筑波大学で開発されたトマトです。味や大きさはそのままで血圧の上昇を抑えたり、ストレスを減らしたりする効果が期待されるGABAという成分が通常の5倍のトマトです。GABAの成分形成を抑制する遺伝子を壊すことで開発に成功。

「GABA」とはGamma-amino butyricの略で「ギャバ」と呼ばれているます。人間の脳内に存在し緊張やストレスを和らげて、脳の興奮を和らげると言われています。また、GABAには睡眠の質を高めたり、血圧が高めの方の血圧を下げる機能がある

食料不足対策に期待

「ゲノム編集」とは古くから人間が行ってきた品種改良を超高速で改良する技術です。狙った目的の遺伝子を自由に変える事ができます。世界の人口は年々増加しこのままでは人類の食料は不足すると言われています。他にも地球の温暖化は進んでいます。厳しい気候でも育つ作物の開発にも期待され今後の人類存続のカギを握る技術に期待したいです。

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